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医療法人社団 中川会 呉中通病院の導入事例

医療法人社団 中川会 呉中通病院 脳神経外科・脳神経内科・整形外科・内科・リハビリテーション科・123床

患者さんに向き合う診療と、多職種で支えるチーム医療

広島県呉市で地域医療を担う呉中通病院。院長が貫く「画面ではなく患者さんの目を見て話す」診療スタイルと、増え続ける記録業務の両立が課題だった。コエカル導入後は診察中の対話に集中でき、記録はSOAP形式で自動生成。薬剤科・看護部・地域連携室にも活用が広がり、多職種間の共通認識が確立した。

広島県呉市で地域医療を担う呉中通病院では、医師の外来診療をはじめ、薬剤科の服薬指導、地域連携室の入院時面談、多職種カンファレンスの記録に至るまで、さまざまな職種がコエカルを活用しています。

院長が貫いてきた「画面ではなく、患者さんの目を見て話す」という診療スタイルと、増え続ける記録業務の両立。そして、医師のみならず、看護師や薬剤師など現場を支えるコメディカルを含めた「多職種チーム」の働き方は、コエカルによってどう変わりつつあるのでしょうか。

今回は中川院長に、コエカル導入による現場の変化から、これからの地域医療を支えるチームのあり方、そして今後の展望についてお話を伺いました。

呉中通病院 院長 中川 豪 先生

「患者さんの目を見て話す」という診療スタイル

医師として、患者さんと向き合う際にずっと大切にしてきたポリシーがあります。それは「診察中はPC画面やカルテを見ず、患者さんの目を見て話し、記録は後から書く」というやり方です。

当院は電子カルテの導入が比較的後発で、7年前にようやく運用を開始したのですが、紙カルテの時代から一貫してこのスタイルを貫いてきました。患者さんは、診察以上に「話を聞いてもらいたい」という思いで来院されます。だからこそ、目を見て対話することを何よりも大切にしてきました。

しかし、このスタイルには難点もありました。診療後に「何を話したか」を正確に思い出す作業が大きな負担だったのです。隣の看護師に確認しながら書くこともあれば、外来中に書ききれず後回しにするうちに、ますます記憶が薄れてしまう。紙であれ電子カルテであれ、この悩みは変わりませんでした。

コエカルを導入したことで、診察中は対話に集中し、後から思い出す労力を気にする必要がなくなりました。患者さんに伝えたいことを声に出せば、それがそのまま記録に残ります。対話と記録、その両面におけるストレスが完全に解消されました。

安心して話せることで、対話の質そのものが向上

以前も対話に集中していたつもりでしたが、頭の片隅には常に「この内容を忘れないようにしなければ」という意識があり、本当の意味では集中しきれていませんでした。現在は、書く作業をコエカルに任せ、話すことだけに専念できています。その安心感から会話が自然と弾み、内容や時間に縛られず患者さんと深く向き合えるようになりました。患者さんの反応も、以前より明らかに良くなっていると感じます。

一度は諦めた音声入力を覆した、認識精度

実は以前にも、さまざまな音声入力ソフトを試した経験があります。しかし、当時はどれも認識精度が低く、「手直しをするくらいなら最初から手入力した方が早い」と一度は諦めていました。近年、スマートフォンの音声認識技術が向上していることは感じていましたが、医療の専門用語となるとまだ実用に耐えない段階だと思っていたのです。

そんな折にコエカルを試したところ、これまで拾いきれなかった薬剤名や疾患名が正確に入力されました。多少ラフな言い回しであっても、文脈を汲み取って適切に変換してくれます。例えば「血圧が高い」と言えば「高血圧」、「血糖のコントロールが要る」と言えば「糖尿病」というように、内容を理解した上で専門用語を補ってくれるのです。

実際の使用感は予想をはるかに超えていました。雑談を交えながら話しても、まとめボタンを押せば「時系列・問題点・対応策」がSOAP形式できちんと整理されて出力されます。極めつけは、患者さんや医師が直接病名を口にしていなくても、症状の会話から診断名の候補まで記載されたことです。「そこまでは求めていないぞ」と驚くほどの精度でした。初回テストの段階で「これは使える」と確信したため、本格導入への不安は一切ありませんでした。

医師だけでなく、多職種の働き方を支える

私自身はカンファレンスで意見をまとめる立場にあるため、現場のスタッフが議事録作成にどれほど苦労していたか、正直なところ十分には実感できていませんでした。以前は記録担当者によって情報量や精度にばらつきがありましたが、現在は誰が担当しても要点がしっかりとまとまります。文章作成が苦手なスタッフにとって、議事録作成がいかに大きな負担だったかを後から思い知らされました。

私がコエカルに期待しているのは、医師の業務効率化はもちろんのこと、「医師以外の多職種が、それぞれの本来の業務に専念できるようになること」です。医師は患者さんとの対話に、コメディカルは患者さんを支えるケアやカンファレンスに集中する。その両立のためにコエカルを活用しています。

例えば看護の現場では、限られた人数で病棟の患者さんを見守る必要があります。認知症の方が増える中、記録のために患者さんのそばを離れる時間が長くなれば、転倒や転落のリスクも高まります。リハビリ部門でも一日に提供できるケアの量には限りがあり、記録に時間を取られれば、その分患者さんへの介入時間が削られてしまいます。各職種が本来の役割に集中するためには、記録業務を安心して任せられるツールが不可欠なのです。

多職種カンファレンスの様子

地方の医療が直面する、人手不足という現実

医療現場における人手不足は深刻な課題です。働き手が減少する一方で現場のスタッフも高齢化しており、年齢を重ねた医療従事者ほどキーボード入力を負担に感じる傾向があります。地方都市の医療現場では、入力作業そのものが大きな壁になりがちです。だからこそ、キーボードに依存しないデジタル環境の整備が急務だと考えています。

加えて、国の方針が「治す医療」から「支える医療」へと移行する中、作成すべき書類も増加の一途をたどっています。患者さんが住み慣れた環境で生活し続けられるよう支えるには、看護・リハビリ・栄養・薬剤など多職種によるチーム医療が必須であり、それに伴い委員会やカンファレンス、議事録の数も増えていきます。会話をするだけで記録を自動生成してくれるツールの重要性は、今後ますます高まっていくと確信しています。

各職種での活用

院長の語る「多職種の働き方を支える」というビジョンは、現場でどのように形になっているのか。実際にコエカルを活用している各職種の方々にもお話を伺いました。

【薬剤科】薬剤師ごとにばらついていた記録が、同じ質に揃う

薬剤科では複数の薬剤師が服薬指導の記録を行いますが、以前は箇条書きにとどめるスタッフもいれば詳細に書き込むスタッフもおり、内容に個人差がありました。コエカル導入後は、SOAP形式で一定のフォーマットに自動整理されるようになり、誰が担当しても過不足のない均質な記録が残せるようになりました。

勤続20年以上のベテラン薬剤師も、以前のようにメモを取りながらではなく、記録作業をコエカルに任せることで、患者さんとの対話そのものに集中できるようになったとその効果を実感しています。

試験導入時は多職種向けのテンプレートで代用していましたが、服薬指導専用のフレームを用意してからは、より実務に即した精度の高い記録が完成するようになったといいます。

【地域連携室】面談の会話から、要点も何気ない一言も逃さず記録に

地域連携室では、入院時の患者面談にコエカルを活用しています。入院前の生活状況、家族構成、自宅の住環境など聴取項目が多岐にわたるため、以前は記録の作成に多大な時間を要していました。コエカルには面談項目に沿ったフォーマットが搭載されているため、会話の内容が自動的に整理・再構築され、担当者は必要な情報を少し補足するだけで作業が完了します。

項目に合わせて会話を組み立て直してくれるので、その土台に自分の判断で必要な情報を加筆するだけで、あっという間に記録が完成します

面談はどうしても話が前後しがちですが、その中でご家族がふと漏らした重要な情報も、まとめの段階できちんと記録に反映されているという気づきもありました。連携室のスタッフが自ら手を挙げて利用を開始したため現場への導入もスムーズで、患者さんのご家族がAIに関心を示すなど、副次的なコミュニケーションも生まれています。

【看護部】部署ごとにずれていた認識が、一つの記録に揃う

看護部では、当初コエカルの導入に慎重な声もありました。「看護記録をAIに任せきりにすると、スタッフの考える力が衰えるのではないか」という懸念があったためです。しかし、コエカルの要約力の高さを目の当たりにし、まずは看護記録そのものではなく、多職種が参加するカンファレンスや報告会の議事録として活用を始めました。

特に大きな効果を感じているのが、部署をまたいだ認識の統一です。同じ会議に参加していても、看護師・理学療法士・ソーシャルワーカーなどで受け取り方が微妙に異なり、後から記録を見比べると認識にズレが生じていることがありました。退院時期などの重要な判断においてこのズレは重大な問題に直結します。現在はコエカルの記録に一本化し、各部署がそれを確認して合意形成を図る運用にしたことで、強固な共通認識を持てるようになりました。

長時間の複雑な話し合いでも、最終的な結論や「次回どうするか」というネクストアクションまでしっかりまとめてくれる。その要約力が最大の魅力です

会議中にメモ取りに追われることなく、議論に集中できる。そのメリットが現場に浸透すると、端末が「奪い合い」になるほど活用が進み、導入台数を追加するに至りました。多職種にわたる長時間の議論ほど、コエカルの真価が発揮されると高く評価されています。

コエカル導入前後の変化

導入前

  • ①医師の診療 対話を優先すると記録が後回しになり、診療後に内容を思い出しながらカルテを記載する負担が大きかった。
  • ②記録業務 担当者によって記録の質や情報量にばらつきがあり、議事録作成が特定のスタッフの負担になっていた。
  • ③情報共有 同じ会議でも部署ごとに情報の受け取り方が異なり、記録を見比べると認識の食い違いが発生することがあった。

導入後

  • ①医師の診療 対話に集中でき、記録はSOAP形式で自動生成。患者さんと向き合う時間が増えた。
  • ②記録業務 誰が担当しても一定の質で要約され、各職種が記録業務から解放されることで本来の業務に時間を割けるようになった。
  • ③情報共有 記録が一つに集約されることで多職種間の共通認識が確立。看護・薬剤・地域連携などチーム全体の連携がスムーズに。

導入を検討する方へ

コエカルは、医療現場がこれまで長年苦労してきた「記録」という課題を根本から解決してくれる、画期的なツールだと思います。画期的であるがゆえに、最初は半信半疑になるのも当然です。だからこそ、まずは一度現場で使っていただき、その驚くべき精度を体験してみてほしいと思います。きっと、私たちが感じた手応えをご理解いただけるはずです。

導入概要

  • 施設:医療法人社団 中川会 呉中通病院(広島県呉市)
  • 活用職種:医師・薬剤科・看護部・地域連携室
  • 主な用途:外来診療記録/服薬指導/入院時面談/多職種カンファレンス記録/看護サマリー
  • 導入形態:試験導入を経て、2026年5月より正式導入

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